なぜ野洲市の男性は5150万円を失ったのか?SNS投資詐欺の実態

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「投資すれば利益が倍になる」――そんな言葉を信じた結果、人生を揺るがす被害に遭う人が後を絶ちません。
滋賀県野洲市に住む40代の男性が、SNS上で見つけた投資広告をきっかけに、現金と暗号資産あわせて約5150万円をだまし取られたことが明らかになりました。
デジタル時代の“人のつながり”を利用した詐欺が、いま新たな局面を迎えています。

目次

事件の概要:SNS投資広告が発端に

滋賀県警守山署の発表によると、野洲市の団体職員の男性(40代)は2025年8月18日、SNS上で流れていた投資広告をクリック。その後、投資の「先生」や「アシスタント」を名乗る人物らとLINEで連絡を取り合うようになりました。

彼らは「投資額よりも高い利益がすぐ得られる」と話を持ちかけ、男性は9月初旬から下旬にかけて計10回にわたり、指定の口座に約3900万円を送金。さらに約1250万円分の暗号資産も指定アドレスに送金したということです。

発覚の経緯と背景:巧妙な心理操作

男性が不審に思い始めたのは、利益の出金を求めても応じてもらえなかったことがきっかけでした。やり取りが途絶え、被害を察知した男性が警察に相談。守山署がSNS型投資詐欺事件として捜査を開始しました。

詐欺グループは、実在する投資家や企業名を装い、プロのような資料を見せながら信頼を獲得するケースが多く報告されています。心理的な“信頼形成”が、詐欺の第一歩となるのです。

動機と心理的背景:焦りと「もっと稼げる」幻想

警察によると、男性は「物価高や将来不安で資産を増やしたい」という思いから投資話に応じたとみられています。短期間で利益が出るという甘い言葉に、心理的な焦りが重なった結果、冷静な判断を失った可能性があります。

被害金額と影響:全国で広がるSNS投資詐欺

被害総額は約5150万円。滋賀県警によると、SNSを通じた投資詐欺は県内でも複数確認されており、全国的には被害額が年間で数百億円規模に達するとの報告もあります。

特に暗号資産が絡む場合、送金後の追跡が難しく、回収はほぼ不可能といわれています。

point

・SNS広告から始まった高額投資詐欺
・現金+暗号資産で総額5150万円被害
・LINEを使った“先生”型詐欺の手口
・警察がSNS型詐欺事件として捜査中

警察の対応と注意喚起:県警が警鐘

滋賀県警は「SNSやメッセージアプリで投資話を持ちかけられた場合は、すぐに警察や金融庁の相談窓口へ連絡してほしい」と呼びかけています。
守山署では、同様の手口に関する相談が相次いでおり、「少しでも怪しいと感じたら取引を中止し、相談を」と注意を促しました。

専門家の見解:詐欺グループは“心理のプロ”

金融犯罪に詳しい弁護士の佐々木亮氏は「詐欺師は被害者の“安心したい心理”を巧みに利用する。特にSNSでは、相手の素性を見抜くのが難しく、冷静さを失いやすい」と指摘します。
また、暗号資産取引所の登録制度を理解していない人ほど、詐欺に巻き込まれる傾向があるといいます。

SNSの反応:怒りと不安が広がる

X(旧Twitter)では、「他人事じゃない」「LINEで同じような投資話が来た」といった声が相次いでいます。
「親が被害に遭いそうになった」「詐欺広告をもっと取り締まってほしい」という意見も目立ち、SNS社会のリスクに対する警戒感が高まっています。

今後の見通し:法規制とリテラシー強化が急務

政府はSNS広告の規制強化や、暗号資産の送金トレーサビリティ(追跡性)向上に向けた議論を進めています。
個人の判断力を高めるためにも、金融リテラシー教育の拡充と、プラットフォーム側の監視体制強化が求められています。

Q1:SNS投資詐欺とは?
A:SNS上の広告やメッセージで高配当を装い、送金や暗号資産をだまし取る詐欺手口です。

Q2:被害を防ぐには?
A:相手の実在確認・金融庁登録の有無をチェックし、第三者に相談することが有効です。

Q3:暗号資産の被害は取り戻せる?
A:現状では困難ですが、早期通報で送金先の特定につながるケースもあります。

今回の事件は、SNSという「つながりの場」が同時に「罠の入り口」にもなり得ることを示しています。
“もうけ話”の背後には、あなたの信頼を狙う巧妙な詐欺師が潜んでいるかもしれません。
今こそ、個人の情報リテラシーと社会全体の防犯意識を高めるときです。

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