宮城県で初めて、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者が確認されました。
発症したのは石巻保健所管内に住む90代の男性で、発熱や食欲不振などの症状が現れ、現在も県内の医療機関に入院しています。
これまでSFTSは西日本を中心に患者が報告されてきましたが、感染地域は次第に東日本へ広がっています。宮城県内での患者確認は今回が初めてです。
この記事では、宮城県で初確認されたSFTSについて、感染までの経緯、症状、マダニから身を守る方法、刺された場合の対応などを詳しく解説します。
・宮城県でSFTS患者を初めて確認
・石巻保健所管内の90代男性が発症
・8月29日に発熱や食欲不振などの症状
・一時は意識障害があり、現在も入院中
・県外への移動歴がなく、宮城県内で感染した可能性
・予防で最も重要なのはマダニに刺されないこと
宮城県でSFTS患者を初確認
宮城県は2026年9月7日、県内で初めて重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者が確認されたと発表しました。
患者は石巻保健所管内の90代男性です。男性には発熱や食欲不振などがみられ、現在も県内の医療機関に入院しています。
基本情報チェックリスト
☑ 感染症:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
☑ 発生地域:宮城県・石巻保健所管内
☑ 患者:90代男性
☑ 発症日:2026年8月29日
☑ 主な症状:発熱、食欲不振など
☑ 感染判明:9月5日
☑ 現在の状況:県内の医療機関に入院中
☑ 宮城県内での患者確認:初
男性は最近、県外に出ていなかったことから、宮城県は県内で感染した可能性が高いとみています。
SFTSはこれまで西日本を中心に患者が報告されてきましたが、発生地域は徐々に広がっています。東北地方では秋田県に続く患者確認となりました。
発症からSFTS確認までの時系列
今回の患者は、最初に症状が現れてから約1週間後にSFTSへの感染が判明しました。
公表されている内容を時系列で整理すると、次のようになります。
時系列フロー
8月29日 発熱や食欲不振などの症状が現れる
9月1日 医療機関を受診
9月5日 検査でSFTSへの感染が判明
9月7日 宮城県が県内初のSFTS患者として発表
その後 県内の医療機関で入院治療が続く
男性は一時、意識障害を起こしたとされています。発表時点でも熱が下がっておらず、入院治療が続いています。
一方、実際にいつ、どこでマダニに刺されたのかについては詳しく明らかになっていません。
SFTSとはどんな感染症なのか
SFTSは「重症熱性血小板減少症候群」の略称で、SFTSウイルスによって引き起こされる感染症です。
多くの場合、ウイルスを保有するマダニに刺されることで感染します。発熱だけでなく消化器症状なども現れ、重症化する場合があります。
| 項目 | 今回の患者 | SFTSの一般的な特徴 |
|---|---|---|
| 感染症 | SFTS | マダニなどを介するウイルス感染症 |
| 主な症状 | 発熱、食欲不振、一時的な意識障害 | 発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など |
| 主な感染経路 | 県内で感染した可能性 | ウイルスを保有するマダニに刺されることで感染するケースが多い |
| 重症化 | 入院治療中 | 意識障害や出血症状などが現れ、死亡する場合もある |
| 予防 | ― | マダニに刺されないよう肌の露出を減らすことが重要 |
SFTSで注意したいのは、単に「ダニに刺されてかゆくなる」という問題ではないことです。
ウイルス感染によって全身症状が現れ、重症化する可能性があるため、野外活動後に発熱などが現れた場合には注意が必要です。
潜伏期間はどのくらい?
SFTSは、感染後すぐに症状が現れるとは限りません。一般的には数日から2週間程度の潜伏期間を経て発症するとされています。
このため、山林や草むらで作業した直後には異常がなくても、その後に発熱や強い倦怠感、食欲不振などが現れる可能性があります。
高齢者では特に注意が必要
SFTSの国内患者は高齢者が多いことが知られています。
国立健康危機管理研究機構がまとめたこれまでの国内症例でも患者の年齢は高い傾向にあり、重症化や死亡に至るケースも報告されています。
今回の患者も90代であり、発熱に加えて一時的な意識障害が確認されています。
SFTSの感染地域は西日本から東日本へ拡大
SFTSは長年、西日本を中心に報告されてきた感染症でした。しかし近年、その状況に変化がみられています。
患者が確認される地域は次第に東日本へ広がっており、東北地方でも秋田県と宮城県で患者が確認される状況となりました。
福島県も2026年9月、全国的にSFTSの報告が増えているとして注意を呼びかけています。
2025年には全国で過去最多となる規模の患者が報告されており、「西日本だけの感染症」と考えないことが重要になっています。
・これまで患者の多くは西日本で確認されていた
・近年は東日本でも感染例が確認されている
・宮城県では今回が初の患者確認
・患者に県外への移動歴がなく、県内感染の可能性が高い
・患者未確認地域でもマダニ対策が必要
今回の宮城県での初確認は、SFTSへの警戒が特定の地域だけの問題ではなくなりつつあることを示す事例といえます。
SFTSはマダニに刺されることで感染する
SFTSの感染経路として最もよく知られているのが、SFTSウイルスを保有しているマダニによる吸血です。
マダニは森林だけに生息しているわけではなく、草むらや藪などにも生息しています。
農作業、草刈り、山菜採り、登山、キャンプ、庭仕事など、身近な屋外活動でも接触する可能性があります。
普通の小さなダニとは違う
家庭の布団や室内などにいる微小なダニと、屋外に生息するマダニは別のものです。
マダニは比較的大きく、人や動物の皮膚に取り付くと、長時間にわたって吸血することがあります。
刺されても痛みを感じず、本人がすぐに気付かないケースもあります。
マダニ以外から感染するケースも
SFTSでは、感染した猫や犬との接触によって感染したと考えられる事例も報告されています。
また、患者の血液や体液との濃厚な接触により、人から人へ感染した事例も報告されているため、マダニだけを感染経路として考えることはできません。
ただし、一般的な生活の中で容易に人から人へ広がる感染症とは異なります。
マダニから身を守るにはどうすればいい?
SFTSには日常生活で簡単に行える重要な予防策があります。それは、マダニに刺される機会そのものを減らすことです。
特にマダニの活動が活発になる春から秋に草むらや山林へ入る場合には、服装が重要になります。
☑ 長袖を着用する
☑ 長ズボンを着用する
☑ ズボンの裾からマダニが入り込まないようにする
☑ サンダルではなく足全体を覆う靴を履く
☑ 帽子や手袋を使用する
☑ 首周りもタオルなどで覆う
☑ 明るい色の衣服を選び、付着したマダニを見つけやすくする
☑ 必要に応じて虫よけ剤を使用する
☑ 帰宅後は入浴し、全身を確認する
特に確認したいのは、首、耳の周囲、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などです。
自分では確認しにくい背中や頭髪部分については、家族などに確認してもらう方法もあります。
マダニに刺されたら自分で引き抜かない
皮膚にマダニが付着しているのを見つけると、すぐ指やピンセットで取りたくなりますが、無理に引き抜くことは推奨されていません。
マダニは皮膚に口器を深く差し込んで吸血するため、無理に引っ張ると一部が皮膚内に残る可能性があります。
マダニを見つけた場合の基本対応
1.無理に引き抜かない
2.できるだけ早く皮膚科などの医療機関を受診する
3.医療機関で適切に除去してもらう
4.その後、数週間程度は体調の変化を確認する
5.発熱などが出た場合は、マダニに刺された可能性を医師へ伝える
マダニに刺されたからといって、必ずSFTSを発症するわけではありません。
しかし、発熱、強いだるさ、食欲不振、嘔吐、下痢などが現れた場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。
今回のSFTS感染は回避できなかったのか
今回、男性が具体的にどこで、いつマダニに刺されたのかは公表されていません。そのため「この行動が感染原因だった」と断定することはできません。
一方、SFTSについては感染経路がある程度分かっているため、一般的なマダニ対策によって感染リスクを低減できる可能性があります。
・草むらや藪では肌を露出しない
・長袖、長ズボン、帽子、手袋を活用する
・屋外活動後に衣服や体を確認する
・帰宅後は早めに入浴する
・マダニを見つけても無理に引き抜かない
最優先は肌の露出を減らすこと
マダニに刺される機会そのものを減らすことが、SFTS対策の基本です。
特に藪や草むらでは、長袖や長ズボンを着用し、ズボンの裾を靴下や長靴の中へ入れるなど、マダニが衣服の内側へ入り込みにくい服装が効果的です。
屋外活動後の確認も重要
マダニは刺されても気付きにくいため、「刺された感覚がなかったから大丈夫」と判断することはできません。
帰宅後に衣服を確認し、入浴時に皮膚をチェックすることで、早い段階でマダニを発見できる可能性があります。
体調変化を見逃さない
屋外活動から数日後に発熱や食欲不振などが現れた場合には、SFTSなどのダニ媒介感染症も選択肢の一つとして考える必要があります。
医療機関を受診するときには、最近山や草むらに入ったことや、マダニに刺された可能性があることを伝えることが診断の手掛かりになります。
もちろん、これらの対策を徹底していれば、今回すべての感染リスクを完全に排除できたと断定することはできません。
それでも、適切な服装や帰宅後の確認などによってマダニに刺される可能性を減らし、感染リスクを低減できる可能性があります。
SFTS対策の優先順位
SFTSの予防では特別な対策だけに頼るのではなく、野外活動の前後で基本的な対策を積み重ねることが重要です。
実践しやすい対策を優先度別に整理します。
| 優先度 | 対策 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 最優先 | 長袖・長ズボンなどで肌の露出を減らす | マダニが直接皮膚へ付着する機会を減らす |
| 高 | 草むらや藪に不用意に入らない | マダニとの接触機会そのものを減らす |
| 高 | 帰宅後に衣服と皮膚を確認する | 付着したマダニの早期発見につながる |
| 高 | マダニを見つけた場合は医療機関へ相談する | 無理な除去によるトラブルを防ぐ |
| 重要 | 発熱などが出た場合は早めに受診する | SFTSなどの早期診断につながる可能性がある |
特に「長袖を着ていたから絶対に大丈夫」というわけではありません。
服装、虫よけ、帰宅後の確認、体調観察を組み合わせて対策することが重要です。
FAQ
Q1:宮城県でSFTSが確認されたのは初めてですか?
A1:はい。宮城県は2026年9月7日、県内で初めてSFTS患者が確認されたと発表しました。
Q2:患者はどのような症状だったのですか?
A2:90代男性で、8月29日に発熱や食欲不振などを発症しました。一時は意識障害もあり、現在も入院しています。
Q3:宮城県内で感染したのですか?
A3:感染場所は特定されていません。ただし、男性は最近県外へ出ていなかったため、県は宮城県内で感染した可能性が高いとしています。
Q4:マダニに刺されたら必ずSFTSになりますか?
A4:いいえ。すべてのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではなく、刺された人が必ず感染・発症するわけでもありません。
Q5:マダニを見つけたら自分で取ってもいいですか?
A5:吸血中のマダニを無理に引き抜くことは推奨されていません。皮膚科などの医療機関で適切に除去してもらうことが勧められています。
Q6:どんな場所で注意すればいいですか?
A6:山林だけでなく、草むらや藪などマダニが生息する場所では注意が必要です。農作業、草刈り、登山、キャンプなどの際にも対策が重要です。
Q7:マダニに刺された後は何に注意すればいいですか?
A7:数週間程度は体調の変化を確認し、発熱、強いだるさ、食欲不振などが現れた場合には医療機関を受診してください。その際、マダニに刺された可能性があることを伝えることが重要です。
まとめと今後の展望
宮城県で初めてSFTS患者が確認されました。患者は石巻保健所管内の90代男性で、8月29日に発熱や食欲不振などを発症し、9月5日に感染が判明しました。
男性に最近の県外移動歴がないことから、宮城県内で感染した可能性が高いとみられています。
今回の事例から考えられるポイント
・SFTSは西日本だけでなく東日本にも発生地域が広がっている
・マダニ対策では肌の露出を減らすことが重要
・屋外活動後の身体チェックと体調観察が早期発見につながる
宮城県で患者が初めて確認されたからといって、日常生活で過度に恐れる必要はありません。
一方で、「これまで地域で患者が出ていないから安全」とも言い切れなくなっています。
草刈りや農作業、登山、キャンプなどで自然の中へ入る際には、長袖や長ズボンを着用し、帰宅後には衣服や体にマダニが付着していないか確認することが大切です。
最後に
SFTSは、これまで西日本を中心に知られてきた感染症ですが、患者が確認される地域は少しずつ広がっています。
今回、宮城県で初めて患者が確認されたことは、私たちが身近な自然と接するときの備えを改めて考えるきっかけにもなります。
自然を必要以上に怖がるのではなく、長袖や長ズボンを着る、帰宅後に体を確認するなど、小さな対策を積み重ねることが大切です。


