森でクラクション鳴らす迷惑行為に、札幌市が異例の注意喚起

※本記事にはアフィリエイト広告（プロモーション）が含まれます。

ヒグマ出没公園で「クラクション禁止」の張り紙

札幌市西区の「西野すみれ公園」では、ヒグマの出没が相次いだことから10月上旬に閉鎖措置が取られました。

しかしその後、一部の見物客が立ち入りや路上駐車を繰り返し、さらには森に向かってクラクションを鳴らす迷惑行為まで発生。

市は10月6日、「森へクラクションを鳴らさないで」と書かれた張り紙を掲示し、周辺住民にも注意を呼びかけました。掲示以降、苦情は減少したものの、再発を防ぐための啓発が続いています。

背景にある“好奇心”と“野生との距離感の薄れ”

なぜ人は危険を承知で森へ近づくのでしょうか。

札幌市環境共生課によると、SNSなどで「クマを見たい」「動画を撮りたい」といった投稿が増えたことが一因とされています。

自然との距離感が薄れ、“ヒグマも観光対象のように扱う”風潮が生まれているとも言われます。

しかし、クラクションの音や人間の気配は、クマを刺激し、かえって人里に出てくる原因にもなりかねません。

「鳴らす音が怖い」「子どもが怯える」住民の声

近隣の住民からは、「車のクラクションが何度も鳴って怖かった」「子どもが音に驚いて泣いた」といった声が寄せられています。

中には「野生動物だけでなく、人間の生活にも支障が出ている」と話す人も。

見物目的でのクラクション行為が“地域の安心感”を損なっていることは、現地で暮らす人々にとって大きな問題です。

行政「興味本位の接近は非常に危険」

札幌市の担当者は「ヒグマがクルミの実を求めて公園に現れている可能性がある」と説明。

「音を立てて追い払おうとする人もいますが、むしろ逆効果です。ヒグマが興奮し、予測不能な行動に出る危険があります」と警鐘を鳴らしています。

自治体は引き続き、注意喚起の強化と地域パトロールの実施を続ける方針です。

SNSでも「モラル欠如」と批判の声

X（旧Twitter）では、「自分の好奇心でクマを刺激するなんて信じられない」「音で追い払えると思っているのが怖い」といった投稿が相次いでいます。

一方で「どう注意すればいいかわからなかった」という声もあり、行政と住民の間での情報共有のあり方が問われています。

自然との共生を守るためにできること

ヒグマは本来、人を避けて生活する動物です。人が興味本位で近づいたり、大きな音を立てたりすることで、人間の生活圏に出てくるリスクが高まります。

私たちができる基本の対策は以下の通りです。

・立入禁止区域には絶対に入らない
・クラクションなど大きな音を鳴らさない
・ゴミを放置しない（食べ物の匂いを残さない）

自然と距離を保ちながら、安全な共生を意識することが大切です。