北海道後志管内の寿都町で、原発の高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定を巡り、住民意識を探る調査が行われました。一橋大学の准教授ら研究グループが全戸対象で実施したアンケートの結果、回答した15%のうち過半数が「概要調査に進むべきではない」と回答。地域社会に根深い不安と分断が浮き彫りになっています。
この記事の要点
- 寿都町で核のごみ最終処分場を巡る全戸調査が実施
- 回答率は約15%、192戸から回答
- 「概要調査に反対」が54%、「進むべき」が33%
- 住民の間で意見が分かれ、町の今後の判断が焦点に
目次
事件・不祥事の概要(何が起きたか)
研究グループが、寿都町内の1291戸すべてを対象にアンケートを実施しました。1291戸のうち192戸が回答し、そのうち「文献調査でやめるべきだ」が54%と最多、「概要調査に進むべきだ」は33%でした。発生の背景・原因
寿都町は核のごみ最終処分場の候補地として文献調査が進められてきました。概要調査は次の段階にあたり、より詳細な地質調査や環境影響評価が伴うことから、住民生活や町の将来像への影響が懸念されています。関係者の動向・コメント
研究グループは「回答率は低いが、住民の一部で根強い反対意見が確認できた」と説明。町内からは「安全性より経済的支援を優先するのは危険だ」との声や、「過疎化が進む中で町の財源確保につながる」と賛成意見も上がっています。被害状況や人数
今回の調査における被害は直接的にはありませんが、町内では意見の分断が進みつつあります。人口減少や雇用不足に悩む町にとって、国からの交付金をどう捉えるかが住民の間で対立の火種となっています。行政・自治体の対応
寿都町は国の処分場選定手続きを受け入れている自治体の一つ。町は今後の判断を国と協議しながら進める方針ですが、住民意見の乖離が大きいため、合意形成が課題となっています。専門家の見解や分析
エネルギー政策の専門家は「概要調査は安全性の科学的検証の第一歩だが、地元住民の理解なくしては進められない」と指摘。低い回答率から「無関心層が多いことも課題」と分析されています。SNS・世間の反応
SNS上では「寿都町が実験場にされるのでは」「安全性を犠牲にして交付金を受け取るのは危険」といった批判の声が目立ちます。一方で「財政難を考えれば現実的選択」と賛成意見もあり、賛否両論が渦巻いています。今後の見通し・影響
概要調査に移行するかどうかは町の将来に直結する問題です。町議会や住民説明会での議論が鍵となり、国のエネルギー政策全体にも影響を与える可能性があります。FAQ
Q. アンケートの回答率はどのくらいですか?
A. 全戸1291戸のうち192戸が回答し、約15%でした。
Q. 住民の意見の割合は?
A. 「文献調査でやめるべきだ」が54%、「概要調査に進むべきだ」が33%でした。
Q. 概要調査とは何をするのですか?
A. 地質調査や環境影響評価など、より詳細な科学的検証が行われる段階です。
A. 全戸1291戸のうち192戸が回答し、約15%でした。
Q. 住民の意見の割合は?
A. 「文献調査でやめるべきだ」が54%、「概要調査に進むべきだ」が33%でした。
Q. 概要調査とは何をするのですか?
A. 地質調査や環境影響評価など、より詳細な科学的検証が行われる段階です。
まとめ
寿都町で行われた全戸アンケートでは、概要調査への移行に反対する意見が過半数を占めました。低い回答率ながらも住民の不安や反対の声が浮き彫りになり、町の意思決定に大きな影響を与える可能性があります。今後は住民合意の形成と透明性ある議論が不可欠です。
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