1. 概要(何が起きたか)
2026年2月6日、三重県は鳥羽市の食品販売業者に対し、景品表示法違反(優良誤認)および食品表示法違反に基づき改善命令と指示を出しました。この業者は自社が運営する伊勢市内および松阪市内の土産物店において、イギリスやフランス産の冷凍ロブスターを「伊勢海老」と表示し、原産地を記さずに販売。また、鳥羽市内の本店を含む食堂でも、外国産食材を地場産のブランド品であるかのようにメニュー表記していました。
- 対象:英仏産冷凍ロブスター、韓国産アワビ
- 不当表示:ロブスターを「伊勢海老」、韓国産を「鳥羽の鮑」と表記
- 期間:最長で2021年12月から2025年9月まで継続
- 処分内容:景品表示法に基づく改善命令および食品表示法に基づく改善指示
2. 発生の背景・原因
今回の問題の根底には、業者の極めて低いコンプライアンス意識がありました。県の調査に対し、業者の担当者は「外国産のロブスターを『伊勢海老』と書いてはいけないとは知らなかった」と釈明しています。しかし、海産物販売を主業とするプロが、数千円の価格差がある両者の区別がつかないという主張には、県も厳しい視線を向けています。コスト削減とブランド力の悪用が常態化していた可能性が指摘されています。
3. 関係者の動向・コメント
三重県の担当者は「消費者の信頼を裏切る行為であり、ブランドイメージへの影響は計り知れない」と不快感をあらわにしています。一方、処分を受けた業者の代表者は事実関係を認め、再発防止に努める意向を示していますが、具体的な被害者への補償策などは現時点で明文化されていません。県は1カ月以内の是正報告を強く求めています。
4. 被害状況や金額・人数
具体的な被害規模として、店頭で販売された偽装ロブスターは計3,806個にのぼります。これに加え、観光客が多く利用する食堂でのメニュー表示や、「鳥羽の伊勢海老」などと大々的に宣伝したポスター掲示も行われていました。数年間にわたる営業期間を考慮すると、被害に遭った消費者は数万人規模に達すると推測され、観光地としての経済的・信用的損失は甚大です。
5. 行政・警察・企業の対応
三重県は今回の事案を重く受け止め、法に基づき迅速に改善命令を下しました。行政側は今後、同様の偽装が行われていないか周辺業者への監視を強める方針です。当該業者は現在、表示の修正と従業員への教育再徹底を指示されていますが、食品表示法違反も併発していることから、今後の改善状況次第ではさらなる厳しい措置が検討される可能性もあります。
6. 専門家の見解や分析
食品流通の専門家は「ロブスターと伊勢海老は生物学的に異なるだけでなく、市場での希少価値が全く違う。これを混同させるのは、意図的な欺瞞と言わざるを得ない」と指摘します。また、地域ブランドを守るためには、業者個人の倫理観に頼るだけでなく、第三者機関による定期的な抜き打ち検査などの仕組み作りが不可欠であると分析しています。
7. SNS・世間の反応
SNS上では、「三重旅行の思い出が台無しになった」「プロが知らないはずがない」といった批判が殺到しています。特に、地元の特産品を誇りに思っている市民からは「真面目に商売をしている他の店まで疑われる」といった風評被害を懸念する声が上がっています。一方で、メニューの不自然な安さに以前から違和感を抱いていたという書き込みも見られました。
8. 今後の見通し・影響
今後、この業者は信頼回復のために透明性の高い情報公開が求められます。しかし、数年にわたる偽装が発覚したことで、ブランドへのダメージは長期化するでしょう。伊勢志摩エリア全体でも、他の飲食店や土産物店が自発的に産地証明を掲示するなどの対応を迫られることになり、地域経済全体への波及効果が懸念されます。
9. FAQ
Q:偽装されたロブスターと本物の伊勢海老、見分ける方法はありますか?
A:最も分かりやすいのは大きな「ハサミ」の有無です。ロブスターには立派なハサミがありますが、伊勢海老にはありません。また、伊勢海老は長い触角が特徴です。
Q:なぜ「知らなかった」という理由が通用しないのですか?
A:食品表示法や景品表示法では、事業者に正しい情報の提供が義務付けられています。プロとして扱う商材の定義を知らないことは、法的にも社会的にも過失として責任を問われます。
10. まとめ
- 鳥羽市の業者が外国産ロブスターを「伊勢海老」と偽り、長年販売。
- 三重県が景品表示法違反などで改善命令と指示。
- 「知らなかった」という釈明に対し、世間からは厳しい批判。

