尼崎市営住宅で200羽のハトと暮らす女性に市が退去訴訟を検討へ

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兵庫県尼崎市の市営住宅において、高齢女性が約200羽ものハトと長期間にわたり共に暮らしていたという異常な事案が発覚しました。

この事例は市民生活や公共施設のあり方、さらには動物愛護と法律の線引きに関して、全国的に大きな注目を集めています。

この女性の行為によって、住宅の衛生状態は著しく悪化し、周辺住民の生活にも深刻な影響が出ているとされ、市はついに退去訴訟に踏み切る方針を固めました。

本記事では、この異例とも言えるケースの発端から市の対応、そして社会的背景と今後の展望について、わかりやすく解説します。

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目次

清掃業者の通報から始まった異常事態の発覚

室内に入り込んだハトの様子
清掃業者が撮影したハトの様子(イメージ画)

この騒動の始まりは2023年4月。市が定期的に委託している配水管の清掃業者が、ある市営住宅を訪れた際に異様な光景に遭遇しました。室内には驚くほどの数のハトが飛び交い、あたりは羽音と鳴き声に満ちていたといいます。

業者は即座に異常を察知し、市役所へ報告。後日、市職員が現地調査を行った結果、室内とベランダを含めて200羽を超えるハトが自由に出入りしていることが明らかとなりました。

女性は「ハトたちは家族のような存在」と語り、彼らに餌を与え続けていたとされます。しかし、その行動は市営住宅の契約上明確な違反であり、さらに深刻な衛生リスクを周囲にもたらしていました。

「まさかここまでの数のハトを室内で飼育していたとは想定外でした」

尼崎職員の証言

苦情の連続と是正指導の限界

糞害で汚れた共用部分の写真
近隣住民が撮影した共用部の被害(イメージ画)

騒動の中心である女性の住まいからは、鳴き声や羽音、そして糞による悪臭が日常的に発生し、健康被害を訴える住民も現れ始めました。アレルギーを抱える家庭にとっては、死活問題にもなり得ます。

市は繰り返し是正指導を行いましたが、女性は一貫して「ハトは手放せない」と主張し、改善に応じることはありませんでした。説得の場でも「命を捨てるわけにはいかない」と訴えたとされます。

それでも公共住宅である以上、個人の信条や動物愛だけで全てが許容されるわけではありません。

近隣住民の声:「子どもがアレルギーで、窓も開けられません。正直、生活が壊されています」

退去契約解除と市議会での訴訟提起

市役所外観
尼崎市役所は異例の法的手続きへ

尼崎市は2024年1月、住宅契約の規則違反と公衆衛生の観点から、女性との賃貸契約を正式に解除し、速やかな退去を求めました。しかし女性は拒否し、現在もその部屋に居住し続けています。

市はこれ以上の話し合いによる解決は困難と判断し、2025年5月13日に開かれる市議会定例会にて、「退去訴訟の提起」を議案として提出することを決定しました。議会で可決されれば、正式に法的措置に踏み切る見込みです。

「ハトを理由とする訴訟は前例がなく、極めて異例な対応です」

尼崎職員の証言

市営住宅の公共性とルールの意味

市営住宅の外観
市営住宅は多くの市民が共有する生活空間

市営住宅は低所得者や高齢者、さまざまな事情を抱えた人々が安心して生活できるよう、自治体が提供する公共住宅です。そのため、個人の自由や信条は尊重されつつも、周囲への配慮とルールの順守は不可欠です。

動物への愛情や思いは理解できますが、集合住宅という環境の中では、共存のルールが必要不可欠です。今回のケースは、個人の信念と公共の利益の間で、どこまでを許容するかという難しい判断を社会に突きつけています。

専門家コメント:「動物との共生は重要ですが、公共空間では衛生や周囲の安心も同様に大切です。行政がバランスを取りながら法的措置を検討するのは当然の対応といえるでしょう」

まとめ

  • 市営住宅で200羽のハトを放し飼いにしていた事例です。
  • 鳴き声やふん害、悪臭などで近隣住民が深刻な被害を受けました。
  • 市は契約を解除し、女性に退去を求めましたが拒否されました。
  • 市は市議会で訴訟提起の方針を固めました。
  • 今後は訴訟による法的判断に委ねられる見通しです。
  • 高齢者支援や動物愛護の在り方も問われています。

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