モバイルバッテリー再資源化義務化へ 政府がレアメタル回収を本格検討

モバイルバッテリーのリサイクルと再資源化を示す環境イラスト。政府がバッテリー回収とレアメタル再利用を推進するイメージ
📒 プラネット・チェックリスト・新着記事
最新のニュースや話題は、 新着記事ページ でまとめてご覧いただけます。
気になる最新情報をぜひチェックしてください。
モバイルバッテリー──スマホや災害時の必需品として生活に欠かせない存在ですが、その裏では処理や保管の問題が深刻化しています。

政府は2026年度から、小型家電リサイクル法の対象にモバイルバッテリーやポータブル電源、電子たばこ機器などを追加する方向で検討を開始しました。
レアメタル(希少金属)の再資源化を進めるとともに、発火事故の防止を図る狙いがあります。

この記事では、制度改正の背景や目的、自治体・メーカーへの影響、今後のスケジュールを整理して解説します。
要点まとめ
  • 政府がモバイルバッテリーなど4品目の再資源化を検討
  • レアメタル回収とリチウムイオン電池の発火防止が目的
  • 2026年度から小型家電リサイクル法の対象に追加予定
目次

ニュース概要(何が決まったのか)

政府は2026年度から、小型家電リサイクル法の対象に新たに4つの製品を追加する方向で調整しています。対象は「モバイルバッテリー」「ポータブル電源」「加熱式たばこ機器」「電子たばこ機器」です。これらはリチウムイオン電池を内蔵しており、発火や焼却処理のリスクが高いことから、自治体やリサイクル事業者から対策を求める声が上がっていました。

背景と目的(なぜ今この政策なのか)

スマートフォンや小型家電を対象にした小型家電リサイクル法は2012年に制定され、現在は全国約60社の「認定事業者」が回収と再資源化を担っています。

しかし、急増するモバイルバッテリーや電子たばこなどは制度の対象外であり、自治体のごみ処理施設で火災を引き起こすケースが相次いでいました。
こうした背景から、経済産業省と環境省はリチウム電池の適正処理を進め、希少資源の再利用と安全確保を両立させる方針を打ち出しています。

制度改正の具体的な内容

2026年4月施行予定の改正資源有効利用促進法では、モバイルバッテリー・携帯電話・加熱式たばこ機器の3品目が「指定再資源化製品」に追加されます。メーカーや輸入業者が自主的に回収・リサイクルを行う義務が課せられ、小型家電リサイクル法でも同様の扱いを受ける見込みです。

これにより、消費者が不要なバッテリーを安心して回収に出せる仕組みが整い、リサイクル率の向上が期待されます。

自治体・事業者への影響

適切な再資源化を進めるためには、蓄電池の検知機器や消火設備を備えた回収体制が必要となります。政府はこれらの整備費用を補助金で支援する方針を示しており、特に中小リサイクル事業者への負担軽減策が焦点となっています。

また、消費者への周知や分別ルールの徹底も課題です。安全に回収を進めるため、自治体・メーカー・市民の三者協力が不可欠とされています。

今後のスケジュールと展望

経済産業省と環境省は今後、認定事業者や自治体と意見交換を行い、2025年度中に政令改正を完了させる見通しです。

制度が本格運用されれば、レアメタル回収の強化だけでなく、廃棄物火災の減少や国内資源循環の促進にもつながると期待されています。
再エネ社会に向けた基盤整備の一環として、今後の動向に注目が集まります。

FAQ

Q. モバイルバッテリーは今後どうやって処分すればいい?
A. 2026年度以降は、メーカーや自治体が設ける回収ルートに出すことが義務化される見込みです。一般ごみへの廃棄は避けましょう。

Q. なぜリチウム電池は火災を起こしやすいの?
A. 内部の化学反応により高温になると発火する性質があり、破損や圧力でショートすると発火する危険があります。

Q. レアメタルの再利用で何が変わる?
A. コバルトやリチウムなどの輸入依存を減らし、国内資源循環の安定化につながります。

まとめ

モバイルバッテリー再資源化の義務化は、環境保全と安全対策の両面を兼ねた大きな転換点です。
レアメタルの再利用、火災リスク低減、循環型社会の実現に向けて、政府・企業・市民が一体で取り組む体制が求められています。

  • URLをコピーしました!
目次