札幌市営地下鉄で「サウナ状態」との苦情が殺到しています。
今夏は過去最多の真夏日を記録し、南北線を中心に「地獄のように暑い」との声が寄せられました。しかし、全国唯一のゴムタイヤ方式が採用されているため冷房装置を取り付けられないという特殊事情があります。
なぜ札幌だけが冷房車を導入できないのでしょうか。市はどのように対応し、今後改善は見込めるのでしょうか。あなたも疑問に思ったことはありませんか?
- 札幌地下鉄で車内が暑すぎると苦情が急増
- 全国唯一のゴムタイヤ方式が冷房設置を阻む
- 市は2030年度以降の車両更新で冷房導入を検討
事件・不祥事の概要(何が起きたか)
2025年夏、札幌市営地下鉄に「暑すぎる」との苦情が多数寄せられました。市交通局によると、6~8月に寄せられた暑さに関する意見は143件に上り、前年の数件から急増。特に南北線の利用者からの声が多く、「サウナ状態」「地獄のよう」といった表現が目立ちました。
発生の背景・原因
札幌市営地下鉄は全国で唯一ゴムタイヤ方式を採用しています。1輪あたり3トン、計48トンという重量制限があるため、1トン前後の冷房装置を追加する余裕がありません。加えて、南北線の高架区間は雪対策でシェルターに覆われ、窓も騒音防止のため開けられず、熱がこもりやすい環境が車内温度上昇を招きました。
関係者の動向・コメント
市交通局の担当課長は「1971年の導入時は冷房が必要になるとは想像していなかった」と説明。通学利用者からは「エアコンを早く設置してほしい」との切実な声が寄せられています。
被害状況や金額・人数
札幌管区気象台によると、市内では今夏、真夏日が35日と過去最多を更新。試験測定では運転席で30度を超える日があり、乗客定員378人の車両内でも多くの日で30度以上を記録したとみられます。
行政・企業の対応
市は高架駅に冷風機を設置し、乗車直前まで涼んでもらうなどの対策を実施。しかし効果は限定的で、運転士には帽子を脱いで勤務することも認めています。抜本的な改善は見通せていません。
専門家の見解や分析
鉄道関係の専門家は「ゴムタイヤ方式は騒音が小さいという利点があるが、重量制限が冷房導入の大きな壁」と指摘。都市の温暖化が進む中、冷房なしの車両運行は安全性や快適性の観点から見直しが必要だと警鐘を鳴らします。
SNS・世間の反応
SNSでは「真夏に札幌地下鉄に乗るのは地獄」「北海道だから涼しいと思ったのに」といった投稿が相次ぎました。一方で「ゴムタイヤ方式を選んだ時代背景を理解すべき」と冷静な声も見られ、議論が広がっています。
今後の見通し・影響
市は2030年度から順次南北線の車両更新を予定。軽量素材を採用し、冷房車の導入を視野に入れています。それまでの数年間、現行の暑さ対策を強化するしかなく、市民の我慢が続く見込みです。
FAQ
Q1: なぜ札幌地下鉄だけ冷房がないのですか?
A1: 全国唯一のゴムタイヤ方式を採用しており、重量制限で冷房装置を積載できないためです。
Q2: 他の都市の地下鉄はどうしていますか?
A2: 東京メトロや仙台市地下鉄などでは冷房車が導入され、JR北海道の車両も多くが冷房を備えています。
Q3: 今後冷房が導入される見通しはありますか?
A3: 2030年度以降の車両更新で、軽量化技術を活かした冷房車導入が検討されています。
まとめ
札幌市営地下鉄は「サウナ状態」との苦情が殺到し、全国唯一のゴムタイヤ方式が冷房導入を阻む現状が浮き彫りになりました。市は2030年度からの車両更新で冷房車を想定していますが、それまでの数年間は限定的な対策しか取れません。市民や利用者の安全・快適性をどう確保するか、今後の取り組みが注目されます。