2025年、国内のコメ価格が高騰するなか、外国産米を国産偽装販売する重大な事件が発覚し、大きな注目を集めています。ベトナム産のコメを密輸し、「国産米」と偽って全国の店舗に販売していた食品輸出入会社の経営者夫婦が、詐欺容疑などで追送検されました。被害総額は1億円を超えるとみられ、消費者の信頼を裏切る行為に批判が集中しています。
なぜこのような悪質な偽装が長期間見抜かれなかったのか。コメ不足を背景にした価格差を悪用した手口は、食の安全や産地表示制度の脆弱性を浮き彫りにしています。あなたもスーパーで購入するコメが本当に国産かどうか、改めて気になったことはありませんか?本記事では事件の全容と背景、今後の影響まで詳しく解説します。
事件の概要(何が起きたか)
2025年12月1日、大阪府警は東大阪市の食品輸出入会社経営者の夫婦を詐欺容疑などで追送検したと発表しました。夫婦はベトナムから不正に輸入したコメを「国産米」と偽装し、全国の小売店や事業者に販売。2025年3月下旬から9月中旬にかけて、少なくとも約8トンを愛知・兵庫・山梨県の4店舗に販売し、約498万円を騙し取った疑いが持たれています。
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当初は関税法違反(緑豆と偽ってコメ45トンを密輸)で逮捕・起訴されていましたが、捜査の過程で過去の大量偽装販売が発覚。米トレーサビリティー法違反も加えて追送検に至りました。
事件の要点まとめ
- 容疑者:東大阪市食品輸出入会社経営者夫婦(妻37歳・ベトナム国籍、夫47歳)
- 手口:ベトナム産コメを緑豆と偽って密輸→国産米と偽装販売
- 確認された販売量:約300トン(推定)
- 被害総額:約1億3000万円(推定)
- 販売先:全国約30都府県の約300事業者
- 追加容疑:詐欺+米トレーサビリティー法違反
発生の背景・原因
2025年のコメ不足は、猛暑による不作や需要増で国産米価格が急騰。10kgあたり5800円前後まで値上がりする店舗も出ていました。一方、ベトナム産コメは大幅に安価で、価格差が大きな利益を生む構造でした。
経営者の妻は「日本でコメの価格が上がっていた。ベトナムで安く仕入れて売れば利益が出た」と供述。関税逃れと産地偽装を組み合わせた「二重不正」によって、莫大な差額利益を得ていたとみられます。
関係者の動向・コメント
夫婦は容疑を認めています。特に経営者の妻は、価格差を狙った動機を率直に説明。夫も共謀していたと供述しており、夫婦ぐるみの組織的犯行とみられています。
購入した小売店側からは「国産米と説明されて仕入れた」「ブレンドではないと聞いていた」との声が上がっており、騙されていた認識が強い状況です。
被害状況や金額・人数
大阪府警の捜査で、2025年2月~6月に500トン超のコメが緑豆と偽って密輸された疑いが浮上。うち約300トンが国内で「国産米」として流通したとみられます。
販売先は全国約30都府県の約300事業者で、推定売上は約1億3000万円。確認された詐欺被害だけでも498万円に上ります。消費者に直接販売されたケースも多く、間接的な被害者は数万人規模に及ぶ可能性があります。
行政・警察・企業の対応
大阪府警生活環境課は家宅捜索で押収したコメを専門機関に鑑定。「国内産ではない可能性が高い」との結果を得て、詐欺容疑での立件に踏み切りました。
農林水産省は米トレーサビリティー法に基づく産地表示の徹底指導を強化する方針。大阪税関も密輸ルートの徹底捜査を進めています。
専門家の見解や分析
食品表示に詳しい専門家は「書類上は緑豆でも、実際にコメが入っている異常事態。税関・検疫のチェック体制に抜け穴があった」と指摘。また「小売店が価格の安さに飛びついた背景もあり、産地確認の意識が甘かった」と双方に問題があるとの見方を示しています。
コメ業界関係者は「これだけ大量に偽装コメが流通していた事実は衝撃。消費者信頼が大きく損なわれる」と懸念を表明しています。
SNS・世間の反応
SNSでは「国産米を信じて高いお金を払っていたのに…」「これだから産地偽装は許せない」「コメ不足に乗じた鬼畜な手口」といった怒りの声が相次いでいます。一部では「安いコメに飛びついた店にも責任がある」との意見も見られ、議論が広がっています。
今後の見通し・影響
警察は残りの流通コメの全量回収と追加被害の把握を進めています。夫婦に対する起訴内容の拡大や、共謀したとみられるベトナム側関係者の特定も焦点です。
業界全体では産地証明の厳格化やトレーサビリティーシステムの強化が急務に。消費者の国産米離れや、正当な国産米農家の風評被害も懸念されています。
FAQ
Q. 購入したコメが偽装米かどうか分かりますか?
A. 外見では判別困難です。購入店に問い合わせるか、農水省の相談窓口を利用してください。
Q. すでに食べたコメが外国産でも健康被害は?
A. 現時点で健康被害の報告はありませんが、産地偽装自体が違法行為です。
Q. 今後、国産米の信頼はどうなる?
A. 一時的な信頼低下は避けられませんが、制度強化で回復が見込まれます。
まとめ
外国産米を国産偽装販売した夫婦の事件は、コメ不足に乗じた悪質な詐欺行為であり、食の安全と産地表示制度への信頼を大きく揺るがせました。推定1億3000万円もの不当利益を得た手口は許されず、関係機関による徹底的な再発防止策が求められます。
私たち消費者も、異常に安いコメには注意し、信頼できる店舗を選ぶ意識が重要です。この事件を教訓に、より強固な食品表示制度が構築されることを期待します。




